当サイトの指標について
(投手ポイント/打者ポイント)


打者ポイント/投手ポイント

当サイトの評価指標(打者ポイント/投手ポイント)の説明です。

評価指標は、以下の2つの条件を前提としました。
@NPBの公式記録を使用
A打者と投手の直接比較が可能

打者ポイントは、リーグの全得点をポイントとして、打席に立った全選手に対して、打席数と打撃成績に応じてポイントを分配する形とします。
投手ポイントは、リーグの全得点をポイントとして、登板した全投手に対して、投球回数と投球成績に応じてポイントを分配する形とします。

両ポイントとも、その選手の投球/打撃実績をリーグ内で相対評価して、リーグ内の得点を分配するものとなります。

打者ポイント =( 基礎点 + パフォーマンス評価点 )× 打席数
基礎点 = リーグの得点合計 ÷ リーグの打席数合計
パフォーマンス評価点 =(wOBA − リーグwOBA)÷ 1.24

投手ポイント =( 基礎点 + パフォーマンス評価点 )× 投球回数
基礎点 = リーグの得点合計 ÷ リーグの投球回数合計
パフォーマンス評価点 =(リーグERC ー ERC) ÷ 9

打者ポイントの合計と投手ポイントの合計は同じ数値となります。
ただし、選手1名ずつ計算するため、実際の合計値はリーグの得点合計とは一致せずに一定の誤差が発生します。
過去のNPBの全シーズンを検証したところ、打者の合計値は総得点より0.5%程度低く、投手の合計値は総得点より1.5%程度低くなります。
(厳密にいうと、計算式自体にも誤差が生じる要素があるため、誤差をゼロにすることが出来ませんでした)

なお、打者ポイントはセイバーメトリクスのwRC(weighted Runs Created、その打者が生み出した得点)という指標を、投手ポイントには
ERC(Component ERA、失点や自責点に基づかない防御率)という指標を使用しました。

それぞれの評価方法の詳細は以下となります。

1.評価の考え方

打者ポイント =( 基礎点 + パフォーマンス評価点 )× 打席数
投手ポイント =( 基礎点 + パフォーマンス評価点 )× 投球回数

打者は基礎点を打撃成績で調整して、打席数を掛け算します。
投手は基礎点を投球成績で調整して、投球回数を掛け算します。

打者、投手ともにその選手のパフォーマンスがリーグ平均に比べて高い場合はプラス、低い場合はマイナスとして評価結果に反映させます。

従って、パフォーマンスが同じ選手同士であれば、打席数や投球回数が多い選手の方が評価が高くなります。
打席数や投球回数が少なくても、パフォーマンスが高い選手の評価が上になるケースもあります。

また、投手は登板回数が多くても投球回数が少ない選手の評価は低くなります。
打者は守備固め出場が主で、打席に立つ機会が少ない選手の評価は低くなります。

2.基礎点

打者はリーグ共通の基礎点として、1打席あたりの得点数を算出します。(基礎点=リーグ総得点 ÷ リーグ総打席数)
投手はリーグ共通の基礎点として、1投球回あたりの失点数を算出します。(基礎点=リーグ総失点 ÷ リーグ総投球回数)

これは各年度のリーグ単位に全選手共通の数値となります。
なお、通算成績など経年比較する場合は、年度・リーグ単位の補正値により調整します。

3.打者のパフォーマンス評価点

評価対象: 単打、二塁打、三塁打、本塁打、四球、死球、盗塁、盗塁死

それぞれの得点価値(その結果が出る前と出た後での得点期待値の増減を数値化したもの)に基づいて打者単位に集計し、打席数で割って、その選手の1打席あたりの打撃効率を求めます。

この計算にはセイバーメトリクスのwOBA(weighted On Base Average)という指標を使用します。
wOBAには様々な計算方法がありますが、当サイトではMLB版に盗塁成績を反映させた「Standard wOBA(Speed)」を使用します。

wOBA = {0.7×(四死球−故意四球)+0.9×単打+1.25×二塁打+1.6×三塁打+2.0×本塁打+0.25×盗塁−0.5×盗塁死} ÷ (打席数−故意四球−犠打)
wOBAは計算結果が出塁率と似るように設計されているため、平均的な打者のwOBAが.320〜.330となるよう数字が調整されています。

計算式を詳しく見ればわかりますが、故意四球(敬遠)と犠打(送りバント、スクイズバント)は計算から除外されており、評価対象となりません。
また、犠飛(犠牲フライ)は凡打(ただのアウト)として評価されます。

各選手のwOBAをリーグ平均と比較することで、平均よりパフォーマンスが優れた選手をプラスに、劣る選手をマイナスに評価します。

パフォーマンス評価点 = wOBA ー リーグwOBA
(得点価値wOBAは、値が大きい方が優秀)

4.投手のパフォーマンス評価点

評価対象: 被安打、被本塁打、四球、死球

それぞれの得点価値に基づいて投手単位に集計し、対戦打者数と投球回数で割って、その選手の1試合あたりの投球成績の平均を求めます。

この計算にはセイバーメトリクスのERC(Component ERA、失点や自責点に基づかない防御率)という指標を使用します。
ERCは投球回数が少ない投手、前の投手が残したランナーを引き継ぐリリーフ投手、自分の出したランナーを次の投手に引き継ぐ投手など、防御率での評価が難しいケースにも対応できます。

ERC = 9 × [{(安打+四球+死球)×PTB* }÷(打者数×投球回数)]−0.56
*PTB = 0.89 ×{1.255×(安打−本塁打)+4×本塁打 }+0.475×(四球+死球)

各選手のERCをリーグ平均と比較することで、平均よりパフォーマンスが優れた選手をプラスに、劣った選手をマイナスに評価します。

パフォーマンス評価点 = リーグERC ー ERC
(防御率ERCは、値が小さい方が優秀)

なお、ERCの計算結果が2.24未満の場合は、以下の計算式を使用します。

ERC = 9 × [{(安打+四球+死球)×PTB* }÷(打者数×投球回数)]× 0.75

5.打者の評価方法

打者は1打席あたりの基礎点(=リーグ全体での1打席あたりの得点数)にパフォーマンス評価点(=その選手の1打席あたりの得点貢献度のリーグ平均値との差)を
加えて、打席数を掛けることで、その選手の1シーズンの得点貢献度を求めます。
この数字のリーグ全選手合計値はリーグの得点数に近い数字となるので、リーグの全得点を各選手の打席数と打撃成績に応じて分配する形となります。

打者ポイント(wRC) = ( 基礎点 + パフォーマンス評価点 ) × 打席数
= { ( リーグの得点合計 ÷ リーグの打席数合計 )+( wOBA − リーグwOBA )÷ 1.24 } × 打席数

※上記の式の「÷1.24」は、wOBAが出塁率と似るように計算されているので、それを得点イメージに変換しています。

6.投手の評価方法

投手は1投球回あたりの基礎点(=リーグ全体での1投球回あたりの得点数)にパフォーマンス評価点(=その選手の失点や自責点に基づかない防御率のリーグ平均との差)を加えて、
投球回数を掛けることで、その選手の1シーズンの失点防御度を求めます。
この数字のリーグ全投手合計値はリーグの得点数に近い数字となるので、リーグの全得点数をポイントとして、各投手の投球回数と投球成績に応じて分配する形となります。

投手ポイント = ( 基礎点 + パフォーマンス評価点 ) × 投球回数
= { ( リーグの得点合計 ÷ リーグの投球回数合計 )+( リーグERC ー ERC ) ÷ 9 } × 投球回数

※上記の式の「÷9」は、ERCが1試合(=9イニング)の数値となっているので、それを1投球回の数値に変換しています。

7.投手と打者の比較

比較する投手と打者の、@リーグ内での投球回数の占有率と打席数の占有率が等しく、Aリーグ内でのパフォーマンス傑出度が等しい場合には、
両選手のポイントが等しくなる仕組みとなっているので、投手と打者の貢献度の直接比較が可能です。


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