チーム力の傾向


移動平均という考え方があります。
これは目先の数字の変化を追うのではなく、一定の期間の平均値で変化を捉えようとするものです。
例えばチームの成績は短いスパン(1試合毎、1カード毎、1週間、1ヵ月、1年など)での勝敗に一喜一憂していますが、そもそものチーム力が上昇中なのか下降中なのかという中長期のトレンドは、短いスパンにとらわれてしまうと把握できません。

下のグラフは各球団の勝敗数の差の5年間の平均を集計したものです。
各球団の左端の棒は2005年から2009年の5年間の勝敗数の差(=貯金数、借金数)の平均値となります。左から2本目の棒は2006年から2010年の5年間、3本目は2007年から2011年の5年間、というように1年ずつ集計期間をずらしたものです。 この操作により、1年だけ突出した成績を残した場合の影響を抑えて、中期の成績の傾向を把握しようとしています。

ソフトバンク、日本ハム、巨人の3球団は常に貯金がある状態であり、安定してクライマックスシリーズ争いに加わる成績を残していることがうかがえます。
横浜、ロッテ、楽天、ヤクルト、オリックスの5球団は借金生活が常態化しており、優勝争いの前に勝ち越しを目指す必要があることが想像できます。
変化のトレンドに着目すると、ソフトバンク、広島、横浜はグラフの変化が右肩上がりなので、チーム力が年々上昇しており、逆に巨人、中日は急激にチーム力が低下している状態と考えられます。

12球団のグラフを俯瞰してみると、チーム力のばらつきは非常に大きく、その原因が補強力、育成力、指導力の何れにあるとしても、戦力の平衡化には程遠い状態にあるといえます。

※2016-20、2017-21、2018-22の平均を追加しました。


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